【1】忘年会、最高潮のタイミング
年末の金曜夜。駅前の居酒屋の貸切フロアには、忘年会特有の浮かれた空気が満ちていた。
私――総務の美咲は、同期の志保や葵、先輩の涼子と一緒に女子テーブルにいた。
ビールも日本酒もそこそこ回り、全体的にいい感じに酔いが回っている。
「さあて、次がラストの出し物だって!」
「誰!?誰がやるの!?」
「たぶん…ライトくんだよ」
と志保がニヤついて言った。
「マジ?あの真面目くん?」
「なんか控室でタオル一枚だったって聞いたけど…」
「え、それ…まさかの…?」
【2】衝撃の登場とお盆芸
「それでは、最後の出し物!入社1年目・ライトくんの全力芸です!!」
拍手とざわめきの中、登場したのは――バスタオル一枚のライトくん。
「きゃー!!!」
「えっ、本当にやるの!?」
「ガチのアキラ100%!!」
そして彼は、バスタオルを外した。
――手に残るは、お盆だけ。
「今年一年!お世話になりましたァァァァ!!!」
女子たちの爆笑と歓声が入り混じった中、彼の芸が始まる。
「ちょっと!揺れてる揺れてる!」
「お盆が不安定!笑」
「いや…お尻、意外ときれい……」
スクワット、回転、片足ジャンプ。
「こっちから見えそう!見えそう!」
「ちょっと待って、横から見たらアウトじゃない!?」
「葵、見た!?」
「え、うん…え、なにあのお尻…ふわぷり…」
「お盆落としてー!」
「落ちたら拍手喝采だね!」
【3】運命の瞬間:お盆、落下
クルッと一回転した次の瞬間――カンッ!!
お盆が、手元から滑り落ちた。
「えっ…」
「あ」
「落ちたァァァァァァァァ!!!!」
真正面からも、横からも、後ろからも。
「きゃあああああ!!!」
「うわああああああ!!!」
「全部見えたァァァァァァ!!!」
「やった!お盆落ちたー!!」
「最高!!笑」
【4】女子社員、沸騰
「ちょ…お尻ッ!!お尻!!プリップリすぎ!!!」
「なにあの形状!?完璧なんだけど!!!」
「え、あれCG!?リアル!?どういう構造!?」
「真っ赤な顔に真っ白なお尻のコントラスト…尊い…」
横から見た志保が爆笑しながら叫ぶ。
「はいアウト!横から全部見えた!アウトオブアウト!」
葵は顔を覆いながら、指の隙間から見ていた。
「見ちゃった…見ちゃったけど…あのお尻、反則級…」
「ねえあの丸み、奇跡だよね?」
「ぷりっぷりでふわふわで…癒やし系お尻…」
「むしろずっと見てたい」
【5】そしてスマホが光る
「スマホ撮影禁止だったよね?」
「…でも課長がさっき“今夜は無礼講”って!」
「これは記録しなきゃダメでしょ!」
パシャ!パシャパシャ!
「ちょっと、フラッシュ焚くなー!!爆笑!」
「動画回してる!あっちもこっちも回してる!」
「私たち今、歴史の目撃者だから!!」
「ていうかお尻!アップで撮ったら芸術だったんだけど!!」
「うん、しかも全角度網羅してる。横・後ろ・斜め。完璧。」
【6】復帰とフィナーレ
ライトくんは真っ赤になりながらお盆を拾い直し、深呼吸して続行。
「…すみません!でも…最後までやりきります!!」
拍手と歓声が鳴り止まない。
「がんばれー!!」
「今さら隠しても遅いけど!応援してるー!」
最後にお盆を高く掲げてポーズ。
「今年一年、お世話になりましたァァァァァ!!!!」
【7】感動(?)のエンディング
「いやマジで最高だった」
「お尻に泣いた」
「筋肉と柔らかさのバランスが奇跡」
「しゃがんだときの動き、何回でも見れる」
「横から見たアングル、今日一番の笑顔出た」
「横からだけで3回見た。正面より貴重だったかも」
「動画に映ってた横のシーン、スクショしといた」
「ライトくん!!すごすぎた!!」
「もうさ、顔真っ赤なのにお尻だけ堂々としてたのほんと草!」
「お尻がさ、もはや自信持ってたよね。『俺が主役だ』って感じだった!」
《社内女子トーク》
・志保:
《#伝説のプリケツ #ライトくん無双 #国宝級宴会芸》
・美咲:
《あの落下は神の采配だったとしか思えない…》
《むしろ最初から落とす予定だった説ある》
・涼子:
《動画撮った人、ください(圧)》
《明日からプリケツ写真部、発足します》
・葵:
《見ちゃったけど…ご褒美だった…》
《見てないって言うけど、実は2回目のターンのときにしっかり見てた》
【8】翌日の社内
「おはよう、ライトくん!今日もぷりっとしてる?」
「お尻で元気出るわ?今日も頑張れそう!」
ライトくんは耳まで真っ赤になって苦笑い。
ランチ時、志保がスマホを拡大して見ながら言った。
「これ…拡大しても見えてないよね?」
「…いやギリ見えてるかも?」
「アウトかセーフか微妙なラインがまたイイ」
美咲も笑いながら言う。
「でも、あの角度のスクショ保存したよ。元気出したい時に見る用」
そして誰かが言った。
「伝説は、見せるもんじゃない。落ちて、起きるもんなんだね」
プリケツと共に笑った夜は、みんなの心に深く刻まれた――。